2011年春の人気五大ブラウザー「IE9・Firefox・Chrome・Opera・Safari」のパフォーマンス比較、ベンチマーク対決で頂上決戦!!

2011年4月26日に正式に日本語版のリリースが始まったInternet Explorer 9.0など、今年は実はブラウザー(インターネット閲覧ソフト)の当たり年かもしれません。
世界で多く利用されている代表的なブラウザーといえば、他にも、GoogleのChrome(クローム)、Mozilla Firefox、Opera、appleのSafariなどがありますが、直近でそれぞれ続々とメジャーバージョンアップを成し遂げています。

ただ、メジャーバージョンアップ直後は人柱(潜在的にしろ既知にしろ、テストで致命的なトラブル・バグが取り除ききれないままリリースされている可能性の直撃を受けること)になることが少なくないので、興味はあってもなかなか手を出せないというのも現実。

また、新しいものがいつでも気軽に試せるのも確かですが、実際すべてのブラウザのパフォーマンスを知ろうと思ったところでそこには限界が。

そんな中、2011年3月22日付けのニュースで、20周年で大盛り上がりまっさなかの米ZDNETが、そんな鬱憤を晴らすべく、人気五大ブラウザーのベンチマーク(性能測定)テストによる評価・データを発表してくれました。

さて、気になる”あの”ブラウザーの成績はいかに?!

1.ベンチマーク対象の人気ブラウザの各バージョン

まず、ベンチマークテストの対象となったブラウザのバージョンは以下のとおりです。

  • Internet Explorer 9 (9.0.8112.16421) 32-bit版
  • Internet Explorer 9 (9.0.8112.16421) 64-bit版
  • Firefox 4
  • Chrome 10.0.648.151
  • Safari 5.0.4
  • Opera 11.01

3月末現在のデータとはいえ、それぞれ、直近の最新メジャーバージョンなのでかなりフレッシュな顔ぶれです。

2.ブラウザパフォーマンスをテストしたパソコン実機のスペック

そして、気になるベンチマーク計測用のテスト実機のスペック・仕様は以下の通りとのこと。

  • OS:Windows 7 64-bit
  • CPU: Intel Core 2 Quad Q9300 2.5GHz Yorkfield 6MB L2 Cache/1333 LGA775 95W クアッドコア プロセッサ
  • メモリ:4GB
  • グラフィックボード:NVIDIA GTX 260

「さて、このスペックを、”高い”と見るか、”低い”と見るか?」

世界的に有名なCPUベンチマークソフトはいくつもありますが、今回、PassmarkのCPUベンチマークの数値を参考にしてみます。

http://www.cpubenchmark.net/

現在の最新ハイエンドCPU Core i7と上記のCore 2 Quad、そして、さらにさかのぼって数世代ほど前のCPUで、かつ、現在も現役で利用されている確率の高そうなPentium4(※研究所注:PCサポートの現場での実感から類測)、比較してみるとこんな感じです。

(左がCPU名 右(→)がベンチマークスコア)

・Intel Core i7 995X @ 3.60GHz → 10,809

Intel Core2 Quad Q9300 @ 2.50GHz → 3,583  (今回の実機CPU)

・Intel Pentium 4 @ 3.00GHz → 491

CPUベンチマーク(参考例)

なお、今回、AMDのCPUが出ていませんが、数字に表れないパフォーマンスなども含め、あえてIntel CPUと並列に扱うことを嫌い比較に挙げることを避けました。

さて、こうして見てみると、Pentium4にいたってはデカダンスで絶望的な香りがしますが、これはあくまでもCPUの性能のみを切り出して数値化したものであり、また、実際のパソコン全体の使用感は一部のパーツの性能だけで決まるものではありません。
これは単純に、最新最速CPUと数世代前のCPUであっても、その他がほぼ同じ環境・構成ならWindowsの起動速度はさほど大きく変わらないことからもいえると思います。
つまり、どんなにハイスペックな環境であっても、インターネットの1ページを表示・閲覧する速度にさほどかわりはないはず。

が、しかし、近年、HTML5に代表されるマルチメディア化や、タブブラウジングによるリソースの占有率、そして、セキュリティ対策ソフトを導入している場合の負荷のかかり具合は、先ほどのCPUベンチの数字にもかなり影響を受けるのは事実です。

その意味で、今回の上記のテスト実機のパーツ構成・環境は、過去5年くらいから2011年春現在での中間的な性能と理解できると思います。

3.今回利用されたブラウザベンチマークソフト

次に、各ブラウザのパフォーマンスを計測するために今回用いられたベンチマークソフト(一部はWebアプリ)は以下の通りです。

  • SunSpider JavaScript 0.9.1
    http://www.webkit.org/perf/sunspider/sunspider.html
    JavaScriptベースのベンチマークソフトで、DOMやブラウザAPI群に影響されることなく計測が可能。
    FirefoxのMozillaによる開発で、ブラウザのトラブルシュートの測定に世界的に利用されることも多々あり。

    日本語サイトの参考リンク:
    tokyo Software Testing Day OUT,
    「SunSpider JavaScript Benchmark はそれぞれ何を測っているのか?」
    http://d.hatena.ne.jp/shinsuku/20081121/p1

  • V8 Benchmark Suite
    http://v8.googlecode.com/svn/data/benchmarks/v6/run.html
    こちらも純粋なJavaScriptベースのベンチマークテスター。 Google開発で、同社のオープンソースのV8 JavaScriptエンジンの主にチューニングに利用されているものでGoogle Chromeブラウザにも採用されいます。

    V8 JavaScript Engine – Google Code
    http://code.google.com/p/v8/

    日本語サイトの参考リンク
    V8 JavaScript Engine – Google Code
    http://code.google.com/intl/ja/apis/v8/

    Google V8 JavaScript Engine – Wikipedia
    http://ja.wikipedia.org/wiki/Google_V8_JavaScript_Engine

  • Peacekeeper(★おすすめ)
    http://clients.futuremark.com/peacekeeper/index.action
    こちらは、あのパソコンの3Dグラフィック性能を計測するベンチマークソフト「3DMark06」などでコアユーザーにはおなじみのFutureMark社のJavaScriptベースのブラウザベンチマークです。
    ブラウザでアクセスするだけで、自分の利用環境も含めたベンチがとれるのが特徴。
    世界中の利用者と成績を共有でき、一目で現在のスコア・評価が確認できます。
    FutureMarkらしく、アニメ-ションを使ったレンダリングやナビゲーション、3DCG、モデリング、フォーム入力テストなど実状にあったストレステストで、5~10分ほどで手軽にでき、かつ、見ていてけっこう楽しめる作りとなっています。
    ”平和の番人”というのが、現在のブラウザ戦争を皮肉っているようでなんとも。
  • Kraken 1.0
    http://krakenbenchmark.mozilla.org/
    こちらもFirefoxのMozillaによる開発で、同じくJavaScriptベースのベンチマークテストです。
    上のSunSpiderの機能拡張版の位置づけになるかと思います。
    こちらもシンプルなブラウザベースで、アクセスすればすぐベンチ測定が可能です。

4.気になる各ブラウザベンチマークの結果

以下、それぞれグラフ化された各ベンチマークソフトでの結果です。

各ベンチマークソフトごとに優劣をつけていますが、英字原文では一位を「Hare」、末位を「Tortoise」としています。
直訳すると「ウサギ」と「カメ」。
”優勝!”とか、”どべ・・・”じゃなく、あの童話に例えているところに高い好感度を持てます。

SunSpider javascript Benchmark

SunSpider-JavaScript-Benchmark

ウサギさん: IE9 32-bit / カメさん: IE9 64-bit

V8 Benchmark

V8-Benchmark

ウサギさん: Chrome 10 / カメさん: IE9 64-bit

Peacekeeper Benchmark

Peacekeeper Benchmark

ウサギさん: Chrome 10 / カメさん: Firefox 4

Kraken Benchmark

Kraken Benchmark

ウサギさん: Firefox 4/ カメさん: IE9 64-bit

5.このブラウザベンチマークの結果から考えられる結論

さて、こうしてそれぞれベンチマークにかけてみると意外に差がつくのはおもしろいところ。

ZDNETのAdrian Kingsley-Hughes氏は今回のテストを次のように結論づけています(一部、意訳・要約)。

「まず最初に、Internet Explorer 9 64ビット版は、JavaScriptのパフォーマンスの忠実な犬であると言わせてほしい。
これは、IE9の32ビット版は新しくより最適化・効率化されたChakra JITエンジンを搭載しているのに対し、IE9の64ビット版は、古く枯れてしかも遅いJavaScriptエンジンを使用しているからなんだ。

研究所注:IE9の搭載JavaScriptエンジンについて、世界中で論議がされています。
・MS IEBlog 2010.3.18「The New JavaScript Engine in Internet Explorer 9」
http://blogs.msdn.com/b/ie/archive/2010/03/18/the-new-javascript-engine-in-internet-explorer-9.aspx
・ZDNET 2011.3.10「Chrome 10 vs. Internet Explorer 9 Reconsidered」
http://www.zdnet.com/blog/networking/chrome-10-vs-internet-explorer-9-reconsiderd/792?pg=2

OK、邪魔者は無視しておこう。 じゃあ、どのブラウザが優勝かって?

まあ、4つのベンチマークのうち、Chrome10が2つでトップ、IE9 32ビット版とFirefox 4はそれぞれ一つとっているから、厳密な意味では、Chrome10が今回の総合勝者といえると思う。
けれど、SunSpiderベンチでは、4大高速ブラウザの間でほんの少し差だから、ほとんどのひとは、引き分けだっていうよね。

それから、V8ベンチの結果は、Chrome10がエース級だけれど・・・

ちょっと待って! V8 JavaScriptエンジンはGoogle開発で、しかもChromeのチューニングに利用してるわけだからねえ。

だから結論は何って?

単純な話、IE9 64ビット版は、愕然とするほど、BAD・・・。

それでもって、他のすべてのブラウザは全体的にかなり互角。

私がとても痛快におどろいたのは、IE9の32ビット版が実際にSunSpiderベンチでエース級の結果を叩き出したことなんだ。
けれど、今後数週間でGoogleはChromeにさらにチューニングを施し、きっとIE9 32ビット版に追いき追い越してくるだろうし(Googleの涙ぐましいほどの更新サイクルにくらべてると、Microsoftの痛々しいほど遅いIEの更新サイクル)、それに期待してるよ。

研究所注:直後の2011.4.27に、Google Chromeの新バージョン、11の安定版がリリースされました。

高速ブラウザGoogle「Chrome11(内部バージョン11.0.696.57)」ついに安定版リリース!オフラインインストール可能なダウンロード版も
http://antivirus.server-ing.com/2011/04/30/788/

マイクロソフトはIEの開発に懸命に努力をしてきたわけで、一方で最速を叩き出したり、また、最低速だったりしていても、IEそのものに存在意義があるはずだ。

ここで注意。
IE 64ビット版は64ビットOSのみに利用可能さ。
必要なら検索して探し出してくれ。
私からのアドバイスは、特に気にしないでね・・・。

とにかく結論。 私は実際にはJavaScriptによるパフォーマンスの違いはそれほど大きな問題じゃないと考えているよ。
確かに現実世界のテストでは、ブラウザのパフォーマンスの違いを見つけるのはそうたやすいことじゃない(多くが特定のブラウザに最適化されていることを考えると、一部のHTML5(動的)サイトでは耐えることができない)。

まあ、実際に、たかだか数ミリ秒のJavaScriptパフォーマンスタイムを削ることに最大限の意味を持ってるのでもない限りね。」

とのこと。

このベンチマークテストは、あくまでもPC一台に固定したテストであり、環境差や性能差や、使い勝手などのことまでは考慮されていません。
近年の熾烈なブラウザ競走には振り回されず、しっかりしたPC環境を備えて、かつ、自分の用途にあったものをチョイスすることが、やっぱり大切だといえます。

6.気になる、セキュリティ上、安全なブラウザは?

有償・無償(有料・無料)を問わず、各セキュリティベンダーがシェアなどから重視してソフトウェア・プラグインを提供しているという、ある意味、量的な観点からすれば、IE→Firefox→Chrome→Opera(→Safari)になるはずです。

ただ、Windowsとあまりにも親和性の高いIEは、セキュリティの通念上、やはりメインブラウザからは除外したいところ。
シェアを下げたといえ、ネームバリューにそれほど傷みは出ていません。
ハッカー(正確には、クラッカー)は、特に「有名どころ」が大好きです。

近年の世界的ブラウザシェアを見ると、IE、Firefox、Chromeそれぞれが確かに目立っています。
そのためか、近頃、Chromeを狙い撃ちにしたマルウェアも散見されるようになりました。

2011年3月の主要インターネットブラウザの世界的シェア(占有率)

データ出展:
Browser Market Share
http://marketshare.hitslink.com/report.aspx?qprid=0

 

ただ、「情報を盗みだす」という単一の目的からいえば、そうしたマルウェアやウィルス制作者たちがあいかわらずターゲットとしやすいのはビギナーの利用率の高いブラウザ、つまり、Internet Explorer(IE)のはず。

反論を恐れず、パフォーマンス、インターフェイス、そしてセキュリティのことを総合的に考えた上で、当研究所的におすすめをあえてひとつ選ばなければならないとすれば、2011年春は「Opera(オペラ)」を推しておきます。

http://jp.opera.com/

吊るしの状態で使っても、けっこう小回りの効くブラウザコンソールだと思います。

 

Firefox、Chrome、Operaは、それぞれ、それを支えるひとびとが多いのが魅力だと思います。

セキュティリスクはいずれのブラウザにも間違いなく存在します。 しかし、それに備えるだけのプラグインの豊富さ、設定の柔軟さがあります。

自由度の高さとリスクは正比例すると考えますが、それがかならずしも高度なブラウジングを阻害するものではないはずです。

要は、「気に入ったブラウザが見つかったら、そのブラウザでガンガン検索して、さらに高度なことを楽しんでください」ってことではないでしょうか。

いわゆる”わずらわしい”セキュリティ対策も、いろいろプラグインやソフトを試していくうちに、けっこうツボにはまったりしたりします。

 

記事引用元:ZDNet 「IE9 vs Chrome 10 vs Firefox 4 vs Opera 11.01 vs Safari 5 – The BIG browser benchmark!」

http://www.zdnet.com/blog/hardware/ie9-vs-chrome-10-vs-firefox-4-vs-opera-1101-vs-safari-5-the-big-browser-benchmark/12023

2011年前期向、2010年総合評価・比較ランキングNo.1ウィルス対策ソフトが発表!

昨年年末に、2010年(平成22年)年間を通じての世界の代表的ウィルス対策ソフトの各種性能テストの総合成績にもとづいたレポートが、AV-Comparativesより公表されました。
ウィルス対策研究所がこのレポートにおいて着目しているのは、製品パッケージとして有償(有料)で提供されているウィルス対策ソフトと、無償・無料で利用可能なソフトウェアを並列に扱いその評価対象としていることです。

当研究所では、おおよそこの年初頭に一度、昨年のデータをもとにしたウィルス対策ソフトの評価やランキングをお伝えしています。
その理由は、ほとんどのウィルス対策ソフトベンダー(メーカー)は、年末に向けて新機能を搭載した新バージョンをリリースしてくることが通例であり、リリース後、一定期間をおいて得られるそれらの性能・挙動・パフォーマンス・実績などを考慮した評価こそが、本年の実際のPCセキュリティの現場において重要だと考えているからです。

今回のこのAV-Comparativesは、あくまでも2010年の初頭から年末までの通年の総合成績を第三者機関としてテストしたものであり、ウィルス対策ソフトを選択するという視点では、新バージョンの持つ検知エンジン性能や新機能が実際に稼働している2011年の3月というこの時期あって、やや情報不足の感が否めないことを先にお断りしておきます。
また、対象としているソフト数が、今となってはやや物足りないことも、あえて付け加えておきます。

2010年の総合評価ランキングNo.1のウィルス対策ソフトは「F-Secure(エフセキュア)」

今回、2010年の総合的ウィルス対策ソフトのトップ(プロダクト・オブ・ザ・イヤー)として、「F-Secure(エフセキュア)」を挙げました。
ただし、これは2010年バージョンにもとづくものとなります。

※2010.3.2に以下の記事をエントリーしていますので、F-Secureを試してみたいかたはあわせてご覧下さい。
「F-Secure Internet Security 2011」無料180日(6ヶ月=半年)評価利用版をダウンロード

”総合的”とあるように、”高いウィルス・マルウェアの検出率・検知性能(潜在的な悪意的な脅威も含む)”、”ウィルススキャン性能の高速性”、”PCのパフォーマンスに与える負荷(使用感・動作への影響)”、”誤検知の実績”、”意味不明なプログラム上の欠陥(バグ)の有無”、そして、”ユーザの意思決定(操作判断)/相互作用に大きく依存することなく、インターネット(Web)も含めた感染ルートからのマルウェア(悪意のあるソフトウェア)の進入からのシステム保護”などの各種評価テストからまとめられた結果となっています。
そのため、ウィルス検知スピードなど、ひとつの性能に的を絞っると、2011年2月現在では「avast!6(アヴァスト6:無料版・上位機能搭載の有料版含む)」がトップの座についています。
これは、実際の利用環境・使用者の用途・目的、PC性能などを考慮した場合に、「万人にとって100%最善の一本!」は、けして存在しないことを意味しており、AV-Comparativesもそのレポート上でその旨明記しています。

次に、各性能テストで上位に位置づけられたウィルス対策ソフトをそれぞれ見ていくこととします。

 

 

A.オンデマンド マルウェア検知性能 評価テスト結果上位

「オンデマンド マルウェア検知性能」とは、「既知ウイルス検出テスト」を意味し、PC利用中のリアルタイムでのマルウェア(悪意ある脅威的プログラム)の検知・検出性能と、誤検出・誤検知・誤アラートの発生頻度(もちろん少なければ少ないほど良い)という、ウィルス対策ソフト選びにおいては、決定的で重要かつ信頼性の高い機能の一つです。
主に、インターネット閲覧中やメール送受信、ファイル操作など、ユーザーのパソコン利用行動を引き金として感染リスクが生み出されるアクション上での検出性能をみるものです。

オンデマンド マルウェア検知・検出性能の評価順位およびテスト結果
※(右:検出率(%))
※2010年2月及び8月のテスト結果をベースに評価
1位:G DATA(ジーデータ) → 99.7%
2位:avira(アヴィラ)→ 99.5%
3位:Symantec(シマンテック・ノートン製品)→ 98.6%
4位:F-secure(エフセキュア)→ 98.4%
4位:PC Tools(PCツールズ)→ 98.4%
6位:BitDefender(ビットディフェンダー)→ 98.3%
6位:eScan(イースキャン)→ 98.3%

2010年において、G DATAが通年の好成績をおさめています。
ここでランキングされているソフトタイトルはいずれも好成績であり、検出・検知率にかぎっていえば、どれを選んでも大きな差はないといえます。
その上で、特に、日本ではあまり知名度がないソフト名が挙げられていることにも注目してください。
日本がいかにソフトウェア後進国であるかを如実に示しているともいえます。
実際、純和製(国内産)のウィルス対策ソフトウェアは皆無に等しく、ウィルス対策ソフトの選択基準がCMやネット上のアドバタイズなどの広告露出度などに依存する傾向が強いという現実も露呈しています。

B.プロアクティブ オンデマンド検知性能 評価テスト結果上位

これは「未知ウイルス検出テスト」であり、それぞれのウィルス対策ソフトの最高の検知設定を使用して静的・オフラインでの検出結果を示したもので、どれだけ積極的に”新しい、もしくは、未知のマルウェア(悪意ある脅威)を検出できるかを調査しています。
ウィルスやマルウェアには、もちろんまったくの新種もありますが、いわゆる”亜種”という、もとの悪意のあるプログラムを開発者もしくは開発者以外のまるっきり他人が、各ウィルス対策ラボが発見して作成したワクチンファイルに対抗するべく改変した派生ウィルスも多くあり、これに対しての臨機応変な対応力をはかるテストでもあります。
また、この”高い(積極的な)検出率”において高評価を得るには、同時に誤報率の低さを達成する必要があります。

プロアクティブ オンデマンド検知性能の評価順位およびテスト結果
※(右:検出率(%)と誤検出頻度(単位:FP)
1位:G DATA(ジーデータ) → (~61%, 20 FP)
2位:Avira(アヴィラ:無料版・有償版)→ (~56%, 21 FP)
3位:Microsoft(MSE=マイクロソフト セキュリティエッセンシャルズ:無料)→(~55%, 6 FP)
4位:F-secure(エフセキュア)→ (~54%, 4 FP)
5位:ESET NOD(イーセット エヌオーディー)→(~54%, 9 FP)

C.誤検出頻度 評価テスト結果上位

セキュリティという観念上、ウィルス対策ソフトによる誤検出・エラーは、パソコン利用の上で深刻なトラブルにつながる可能性が低くはありません。
製品として世に送り出される前に、いかにしっかりとした調査・性能チェックが行なわれているかという、対策ソフトベンダーの姿勢をみる項目でもあり、重要な選択肢といえます。

誤検知頻度項目の評価順位およびテスト結果
※(右:誤検出頻度)
1位:F-secure(エフセキュア)→ (4)
2位:Microsoft(MSE=マイクロソフト セキュリティエッセンシャルズ)→(6)
2位:eScan(イースキャン)→(6)
4位:BitDefender(ビットディフェンダー)→(7)

D.オンデマンド スキャンスピード 評価テスト結果上位

パソコンユーザーにとって、その利用環境上にあるすべてのシステム、データ・ファイルがいかにウィルス感染や汚染がなくクリーンであるかは、情報漏洩(プライバシー情報・個人情報、企業情報・データなどセキュアな情報すべてを含めて)を他所へ送信する危険性と他のPCへの感染拡大など、そうしたウィルスやマルウェアの振る舞いを考えれば、当然重要なこととなります。
以下は、それぞれのソフトにおいて最高位の検出設定を利用したスキャニング速度に基づいたものです。

オンデマンド スキャン速度の評価順位およびテスト結果
※(右:誤検出頻度)
1位:Avast(アヴァスト:無料版・有償版)→ (~16.4MB/秒)
1位:Avira(アヴィラ:無料版・有償版)→ (~16.4MB/秒)
3位:Symantec(シマンテック・ノートン製品)→ (~16.0MB/秒)
4位:Panda(パンダ)→ (~15.9MB/秒)

上位だけを見てみればそれほど大きく差がないことはわかります。
消去法もウィルス対策ソフト選びにおいては大切なため、この項目については、下位のソフトウェアにも注目する必要があります。

E.全体的パフォーマンス(低システム負荷)評価テスト結果上位

ウィルス対策ソフトは、ユーザーのパソコン上でいかなる処理や操作を実行している間にも動作している必要があります。一部のウィルス対策ソフト製品によっては、いくつかのタスク・作業・処理を実行中に、「操作が重くなる」、「画面が固まる」、「カーソルが硬直する」など、システムのパフォーマンスに高い影響(悪い影響)を与える可能性があります。

システム負荷パフォーマンステスト結果と順位

1位:K7
2位:Kingsoft(キングソフト)
2位:Sophos(ソフォス)
4位:Microsoft(MSE=マイクロソフト セキュリティエッセンシャルズ)

ここで、注意してほしいのは、動作感が軽ければ良い、というものではないということです。
実際の、この順位には、検知能力など他の項目で非常に疑わしいものも含まれています。

F.オンデマンドによる潜在的な悪意のある脅威・アプリケーション 検出能力 評価テスト結果上位

アドウェア、スパイウェアやマルウェア、ボット、フィッシングなどインターネット上の感染リスクや、その他の詐欺や不正なソフトウェアの量は、ここ数年間で大きく急激に増加しています。
このようなアプリケーションは、型にはまった挙動やパターンであるとは限らず、セキュリティ上、それらを”正しいものか?”、または”悪意のあるものか?に分類するのは簡単な作業ではありません。
そうしたプログラムやアプリケーションは通常「潜在的に脅威となる可能性をもった不要なアプリケーション:PUA(potentially unwanted applications)」と呼ばれています。
多くの製品はこうした不要なアプリケーションについての対応に良い結果を残していますが、次の3つの製品はこの評価テストおいて、特に高い検出率を示しました。

1位:Panda(パンダ)
2位:Symantec(シマンテック・ノートン製品)
3位:TrustPort (トラストポート)

G.製品全機能によるダイナミックプロテクション評価テスト結果上位

インターネットセキュリティ”スイート”などの有償版セキュリティ製品の中でも総合機能を備えたものは、ウィルス・マルウェアからパソコン(システム)を保護するためにさまざまな機能を備えています。
そうした保護機能は、現実的な利用条件の下でテストされてこそ意味があるといえます。
実践的(実戦的)な性能をはかるという意味では、このテスト項目には大きな価値があります。
ここでは、そのソフトタイトルが持つすべての詳細設定の機能をオンにした上で評価が行なわれています。

1位:F-secure(エフセキュア)
1位:Symantec(シマンテック・ノートン製品)
3位:Avira(アヴィラ:有償版)
4位:Microsoft(MSE=マイクロソフト セキュリティエッセンシャルズ)

今回の結果に基いた、2011年に選ぶべきウィルス対策ソフトなどについての当研究所的総括

AV-Comparativesは、2010年の総評として、F-Secure(エフセキュア)を挙げましたが、性能・機能ごとの評価・ランキングを個別に見た場合、必ずしも同ソフトが上位を獲得しているわけではないことに気付きます。
近年、AV-Comparativesにある傾向(偏向)が出てきたとささやかれることも実はなくはありませんし、当研究所も一部やや懐疑的な評価を感じています。

実際の現場では、ウィルス対策ソフト選びにおいてまずまっさきに挙げられるのは、以下の2つです。

・評判
・コスト(価格や料金・値段:1年/1台あたりのコスト)

特に、コストについては、無料のウィルス対策ソフトがこれだけ性能をキープしながら、かつ、利用者も増やしていることを考えると、大きな要因となります。
今、この2011年にあって、特に日本国内に限って言えば、おかしな話ではありますが、”有料のソフトにしか選択肢がないユーザーこそ苦境・苦渋にある”といえます。
なぜなら、日本国内で著名なものは有料のものかつ低パフォーマンスのものが多く、また、広告主導本位での選択となるため、もともとソフトウェア開発文化や意識の低さなど土台のもろさが、そのまま財布を持ったユーザーに災いするかたちとなっています。

ただ、いずれの結果においても、それを鵜呑みにすることなく、まずは自分の環境にあった最適な一本を見つけることが大切です。
その意味で、各ウィルス対策ソフトベンダーが用意している無料評価版・体験版はとても有効的であり、また、使い方によっては無料で利用可能なソフトのほうが動作感などではっきりとメリットを示すことがあります。
その点は、AV-Comparativesも認めています。

「あなたは、ここに挙げられたウィルス対策ソフトのうち、何本の名前を知っていますか?」
また、
「何本を試したことがありますか?」

「自分の環境にあう」とは、つまり、バランスの優れた一本を探し出すこと。
自身のパソコンの用途、特にインターネットのサイト巡回先・閲覧先・ジャンル、メールの送受信の方法、ネット-ワークへの接続方法など、項目ごとに絞っていけば、自ずと高めるべきセキュリティの度合いもはじき出されます。

それは、ユーザーそれぞれがひとつずつ持つセキュリティの方程式であり、
多くの機能をもち、多額な料金で、広告ばかり目にするだけのウィルス対策ソフトには、”おそらく”本物はないというこたえが、きっと出てくるはずです。

2010年2月のウイルス対策ソフトランキング、NOD32がトップ、無料のMicrosoft Security Essentials、AVG、AntiVir、Avastは高評価

 

2010年2月付けの気になるウィルス対策ソフトの検出率テストのランキングがSRIインターナショナルより発表されました。パッと見てわかるとおり、個人利用にかぎり無料で利用できる対策ソフトについてはあいかわらずの好成績を残しています。今回よりランキングデータの取得方法が変わったため、パソコンテクニカルショップ アイエヌジー責任編集としてお伝えします。

それでは、バレンタインデー記念のランキングデータを御覧下さい。

◆ウィルス対策ソフト 検出精度ランキング 一覧 (2010.02.14)

順位→検出率→検出ミス数→ソフトタイトル→メーカー→国→サイト
→その他情報:国内販売元、ダウンロード先、Amazon.co.jpの購入者レビュー等
※グローバルなランキングデータのため、日本での利用環境を含めて解説しています。
※検出エンジン・アルゴリズムを重視し、一部名称等を簡略化しています。
※実際の軽快性などの使用感はレビューがかなり参考になります。

  1. 100%→1→NOD32→ESET→[スロバキア] →www.eset.com
    【有料】:順位上昇。日本ではキャノンITSが販売元。世界で初めて軽快な動作感を売りに。
    @サポート現場の声:一時期すり抜けが多かったですが、バージョンアップが進み検出率が向上
    相変わらず海外では人気のある対策ソフトです
    Amazonレビュー等→ESET NOD32アンチウイルス V4.0
  2. 100%→1→Webwasher-Gateway→Secure Computing→[アメリカ] →www.securecomputing.com
    【企業向け】:現在はマカフィーとなり、製品は一般向けではありません
  3. 92%→102→Ikarus→Ikarus Security Software→[オーストリア] →www.ikarus-software.at
    【有料】:更新パターン・エンジンなどは無料で提供されますが、国内では実質不向き
  4. 90%→128→Microsoft Security Essentials(MSE)→Microsoft→[アメリカ] →www.microsoft.com
    【無料】:順位上昇↑ ご存知マイクロソフトの無料製品。2009年秋より正式に無料でリリース。
    @サポート現場の声:ここ半年で一番紹介率の高いソフト、Windowsのマイクロソフト製品なので安心
  5. 89%→131→AntiVir→Avira→[Germany] →www.free-av.com
    【無料】:安定的上位。性能と扱いやすさ、傘のマークのデザインで日本でも人気。
    @サポート現場の声:早くから無料利用を売りにしてきただけあり、ウィルスデータやノウハウの蓄積高し
  6. 89%→141→カスペルスキー→Kaspersky Lab→[ロシア] →www.kaspersky.com
    【有料】:上位維持。世界的に人気。国内では一太郎のジャストシステムが販売
    @サポート現場の声:従来から検出率で評判高いですが、やや上級者向けか?ライセンスが少ない
    Amazonレビュー等→Kaspersky Internet Security 2010 1年版 鷹の爪コラボパック
  7. 88%→146→BitDefender→BitDefender Inc→[ルーマニア] →www.bitdefender.com
    【有料】:日本でも提供あり、海外では人気あり
  8. 88%→149→AVG→Grisoft Inc→[チェコ] →www.grisoft.com
    【個人利用に限り無料、有料の高機能版もあり】:完全日本語版が提供されてからも成績は安定的
    @現場の声:AntiVirやAvastよりスパイウェアのすり抜けは多いように思います
  9. 88%→151→Sophos→Sophos Labs→[United Kingdom] →www.sophos.com
    【有料】:欧州企業などで導入率高し、法人向け
  10. 87%→160→Dr. Web→[ロシア] →www.drweb.com
    【有料】:海外ではクモのマークでおなじみで、人気は低くはありません
  11. 87%→167→F-Prot→Frisk Software International→[アイスランド] →www.f-prot.com
    【有料】:Windows用もありますが、需要はLinuxやサーバー用途向きで、日本ではケイアイエスユー社が提供
  12. 87%→167→F-Secure→F-Secure Corporation→[フィンランド] →www.f-secure.com
    【有料】:海外で人気高く、日本でも徐々にユーザーが増えているようです。
    @サポート現場の声:効きはとても良いですが、検出後の処理にやや重さを感じます
    Amazonレビュー等→エフセキュア インターネットセキュリティ 2010 3PC 1年版
  13. 86%→171→Authentium→Authentium→[アメリカ] →www.authentium.com
    【有料】
  14. 84%→193→G Data→G Data Software AG→[ドイツ] →www.gdata.be
    【有料】:軽快さが売り、日本でも提供、今後の注目株か?
    Amzonレビュー等→G Data インターネットセキュリティ 2010 3年版/1台用
  15. 84%→198→Avast! ALWIL Software→[チェコ] →www.avast.com
    【個人利用に限り無料、有料の高機能版もあり】:安定した順位と人気、他のソフトに押され気味か?
    @サポート現場の声:MSE登場までは、これもおすすめでした
  16. 84%→201→Norman→Norman Inc→[ノルウェイ] →www.norman.com
  17. 83%→213→CAT-QuickHeal→Quick Heal Technologies→[インド] →quickheal.co.in
  18. 83%→215→VirusBuster→VirusBuster Ltd→[ハンガリー] →www.virusbuster.hu
    【有料】:日本で有名な”ウィルスバスター”とは別の製品です
  19. 82%→219→VirusBlokAda Ltd→[ベラルーシ] →www.anti-virus.by/en
  20. 82%→223→Fortinet→Fortinet Inc→[アメリカ →www.fortinet.com
  21. 82%→228→Rising→Beijing Rising International Software→[スイス] →www.rising-global.com
  22. 82%→230→ウィルスバスター→トレンドマイクロ→[アメリカ] →www.trendmicro.com
    【有料】:テレビCMでかなりおなじみに。もともと企業や個人でも導入率高し。1本で3台使えるのはお得
    @サポート現場の声:いまでも更新を続けてる人は少なくありませんが、おすすめはしていません
    Amazonでのレビュー等→ウイルスバスター2010 3年版
  23. 81%→232→eTrust-Vet→Computer Associates→[アメリカ] →www.ca.com
    【有料】:以前はマイクロソフトとタッグを組んでいました
  24. 81%→232→AhnLab-V3→AhnLab→[韓国] →www.ahnlab.com
  25. 80%→253→Panda→Panda Security→[スペイン] →www.pandasecurity.com
    【有料】:海外では人気あり
  26. 80%→255→ClamAV→SourceFire→[United States] →www.clamv.net
  27. 79%→265→マカフィー→マカフィー→[アメリカ] →www.mcafee.com
    【有料】:メーカーパソコンなどのバンドル品として意外と導入率は低くはない。現在はWebセキュアサービスへ移行か
    @現場の声:完全に無料ソフトに押され気味、かつ順位は常に低い傾向が
    Amazonレビュー等→マカフィー インターネットセキュリティ 2010 2年版 マカフィー インターネットセキュリティ 2010
  28. 79%→266→TheHacker→Hacksoft→[ペルー] →www.hacksoft.com.pe
  29. 78%→275→ノートン→Symantec Corporation→[アメリカ] →www.symantec.com
    【有料】:日本でもおなじみ。最近ウィルス対策していたブログサイトが感染し90日無料版を提供した経緯が
    @サポート現場の声:以前からおすすめはしていません
    Amazonレビュー等→Norton 360 バージョン 3.0 USB

 

無料で利用が可能なMicrosoft Security Essentials、Avira AntiVir、AVG、Avast各製品の順位が安定的なのはうれしいことです。やはり、無料利用で他社よりも早く広く検体を集めることができることが勝因ではないでしょうか。

TVCM、雑誌広告などで見かけたり目にするウィルス対策ソフトが順位の上位にくることはほぼ稀であり、メールやインターネットなどの一般利用ではそういた有料ソフトに更新料を支払い続けるのには疑問が感じられます。有料のものには、電話がつながる、つながらないを無視すればサポートを受けることはできるメリットはありますが、その点がコストに跳ね返っていることも性能への影響と考えられます。

ウィルス対策ソフトの更新時期を控えてるかたや、今使っているソフトのきき具合に不安をお持ちの方は無料対策ソフトの導入を検討されてみてはいかがでしょうか?

こちらからマイクロソフト セキュリティ エッセンシャルズを無料ダウンロードすることができます。
http://www.microsoft.com/Security_essentials/default.aspx