2011年春の人気五大ブラウザー「IE9・Firefox・Chrome・Opera・Safari」のパフォーマンス比較、ベンチマーク対決で頂上決戦!!
掲載日時: 2011年4月29日

2011年4月26日に正式に日本語版のリリースが始まったInternet Explorer 9.0など、今年は実はブラウザー(インターネット閲覧ソフト)の当たり年かもしれません。
世界で多く利用されている代表的なブラウザーといえば、他にも、GoogleのChrome(クローム)、Mozilla Firefox、Opera、appleのSafariなどがありますが、直近でそれぞれ続々とメジャーバージョンアップを成し遂げています。
ただ、メジャーバージョンアップ直後は人柱(潜在的にしろ既知にしろ、テストで致命的なトラブル・バグが取り除ききれないままリリースされている可能性の直撃を受けること)になることが少なくないので、興味はあってもなかなか手を出せないというのも現実。
また、新しいものがいつでも気軽に試せるのも確かですが、実際すべてのブラウザのパフォーマンスを知ろうと思ったところでそこには限界が。
そんな中、2011年3月22日付けのニュースで、20周年で大盛り上がりまっさなかの米ZDNETが、そんな鬱憤を晴らすべく、人気五大ブラウザーのベンチマーク(性能測定)テストによる評価・データを発表してくれました。
さて、気になる”あの”ブラウザーの成績はいかに?!
1.ベンチマーク対象の人気ブラウザの各バージョン
まず、ベンチマークテストの対象となったブラウザのバージョンは以下のとおりです。
- Internet Explorer 9 (9.0.8112.16421) 32-bit版
- Internet Explorer 9 (9.0.8112.16421) 64-bit版
- Firefox 4
- Chrome 10.0.648.151
- Safari 5.0.4
- Opera 11.01
3月末現在のデータとはいえ、それぞれ、直近の最新メジャーバージョンなのでかなりフレッシュな顔ぶれです。
2.ブラウザパフォーマンスをテストしたパソコン実機のスペック
そして、気になるベンチマーク計測用のテスト実機のスペック・仕様は以下の通りとのこと。
- OS:Windows 7 64-bit
- CPU: Intel Core 2 Quad Q9300 2.5GHz Yorkfield 6MB L2 Cache/1333 LGA775 95W クアッドコア プロセッサ
- メモリ:4GB
- グラフィックボード:NVIDIA GTX 260
「さて、このスペックを、”高い”と見るか、”低い”と見るか?」
世界的に有名なCPUベンチマークソフトはいくつもありますが、今回、PassmarkのCPUベンチマークの数値を参考にしてみます。
現在の最新ハイエンドCPU Core i7と上記のCore 2 Quad、そして、さらにさかのぼって数世代ほど前のCPUで、かつ、現在も現役で利用されている確率の高そうなPentium4(※研究所注:PCサポートの現場での実感から類測)、比較してみるとこんな感じです。
(左がCPU名 右(→)がベンチマークスコア)
・Intel Core i7 995X @ 3.60GHz → 10,809
・Intel Core2 Quad Q9300 @ 2.50GHz → 3,583 (今回の実機CPU)
・Intel Pentium 4 @ 3.00GHz → 491
なお、今回、AMDのCPUが出ていませんが、数字に表れないパフォーマンスなども含め、あえてIntel CPUと並列に扱うことを嫌い比較に挙げることを避けました。
さて、こうして見てみると、Pentium4にいたってはデカダンスで絶望的な香りがしますが、これはあくまでもCPUの性能のみを切り出して数値化したものであり、また、実際のパソコン全体の使用感は一部のパーツの性能だけで決まるものではありません。
これは単純に、最新最速CPUと数世代前のCPUであっても、その他がほぼ同じ環境・構成ならWindowsの起動速度はさほど大きく変わらないことからもいえると思います。
つまり、どんなにハイスペックな環境であっても、インターネットの1ページを表示・閲覧する速度にさほどかわりはないはず。
が、しかし、近年、HTML5に代表されるマルチメディア化や、タブブラウジングによるリソースの占有率、そして、セキュリティ対策ソフトを導入している場合の負荷のかかり具合は、先ほどのCPUベンチの数字にもかなり影響を受けるのは事実です。
その意味で、今回の上記のテスト実機のパーツ構成・環境は、過去5年くらいから2011年春現在での中間的な性能と理解できると思います。
3.今回利用されたブラウザベンチマークソフト
次に、各ブラウザのパフォーマンスを計測するために今回用いられたベンチマークソフト(一部はWebアプリ)は以下の通りです。
- SunSpider JavaScript 0.9.1
http://www.webkit.org/perf/sunspider/sunspider.html
JavaScriptベースのベンチマークソフトで、DOMやブラウザAPI群に影響されることなく計測が可能。
FirefoxのMozillaによる開発で、ブラウザのトラブルシュートの測定に世界的に利用されることも多々あり。
日本語サイトの参考リンク:
tokyo Software Testing Day OUT,
「SunSpider JavaScript Benchmark はそれぞれ何を測っているのか?」
http://d.hatena.ne.jp/shinsuku/20081121/p1 - V8 Benchmark Suite
http://v8.googlecode.com/svn/data/benchmarks/v6/run.html
こちらも純粋なJavaScriptベースのベンチマークテスター。 Google開発で、同社のオープンソースのV8 JavaScriptエンジンの主にチューニングに利用されているものでGoogle Chromeブラウザにも採用されいます。
V8 JavaScript Engine – Google Code
http://code.google.com/p/v8/
日本語サイトの参考リンク
V8 JavaScript Engine – Google Code
http://code.google.com/intl/ja/apis/v8/
Google V8 JavaScript Engine – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/Google_V8_JavaScript_Engine
- Peacekeeper(★おすすめ)
http://clients.futuremark.com/peacekeeper/index.action
こちらは、あのパソコンの3Dグラフィック性能を計測するベンチマークソフト「3DMark06」などでコアユーザーにはおなじみのFutureMark社のJavaScriptベースのブラウザベンチマークです。
ブラウザでアクセスするだけで、自分の利用環境も含めたベンチがとれるのが特徴。
世界中の利用者と成績を共有でき、一目で現在のスコア・評価が確認できます。
FutureMarkらしく、アニメ-ションを使ったレンダリングやナビゲーション、3DCG、モデリング、フォーム入力テストなど実状にあったストレステストで、5~10分ほどで手軽にでき、かつ、見ていてけっこう楽しめる作りとなっています。
”平和の番人”というのが、現在のブラウザ戦争を皮肉っているようでなんとも。 - Kraken 1.0
http://krakenbenchmark.mozilla.org/
こちらもFirefoxのMozillaによる開発で、同じくJavaScriptベースのベンチマークテストです。
上のSunSpiderの機能拡張版の位置づけになるかと思います。
こちらもシンプルなブラウザベースで、アクセスすればすぐベンチ測定が可能です。
4.気になる各ブラウザベンチマークの結果
以下、それぞれグラフ化された各ベンチマークソフトでの結果です。
各ベンチマークソフトごとに優劣をつけていますが、英字原文では一位を「Hare」、末位を「Tortoise」としています。
直訳すると「ウサギ」と「カメ」。
”優勝!”とか、”どべ・・・”じゃなく、あの童話に例えているところに高い好感度を持てます。
SunSpider javascript Benchmark
ウサギさん: IE9 32-bit / カメさん: IE9 64-bit
V8 Benchmark
ウサギさん: Chrome 10 / カメさん: IE9 64-bit
Peacekeeper Benchmark
ウサギさん: Chrome 10 / カメさん: Firefox 4
Kraken Benchmark
ウサギさん: Firefox 4/ カメさん: IE9 64-bit
5.このブラウザベンチマークの結果から考えられる結論
さて、こうしてそれぞれベンチマークにかけてみると意外に差がつくのはおもしろいところ。
ZDNETのAdrian Kingsley-Hughes氏は今回のテストを次のように結論づけています(一部、意訳・要約)。
「まず最初に、Internet Explorer 9 64ビット版は、JavaScriptのパフォーマンスの忠実な犬であると言わせてほしい。
これは、IE9の32ビット版は新しくより最適化・効率化されたChakra JITエンジンを搭載しているのに対し、IE9の64ビット版は、古く枯れてしかも遅いJavaScriptエンジンを使用しているからなんだ。
研究所注:IE9の搭載JavaScriptエンジンについて、世界中で論議がされています。
・MS IEBlog 2010.3.18「The New JavaScript Engine in Internet Explorer 9」
http://blogs.msdn.com/b/ie/archive/2010/03/18/the-new-javascript-engine-in-internet-explorer-9.aspx
・ZDNET 2011.3.10「Chrome 10 vs. Internet Explorer 9 Reconsidered」
http://www.zdnet.com/blog/networking/chrome-10-vs-internet-explorer-9-reconsiderd/792?pg=2
OK、邪魔者は無視しておこう。 じゃあ、どのブラウザが優勝かって?
まあ、4つのベンチマークのうち、Chrome10が2つでトップ、IE9 32ビット版とFirefox 4はそれぞれ一つとっているから、厳密な意味では、Chrome10が今回の総合勝者といえると思う。
けれど、SunSpiderベンチでは、4大高速ブラウザの間でほんの少し差だから、ほとんどのひとは、引き分けだっていうよね。
それから、V8ベンチの結果は、Chrome10がエース級だけれど・・・
ちょっと待って! V8 JavaScriptエンジンはGoogle開発で、しかもChromeのチューニングに利用してるわけだからねえ。
だから結論は何って?
単純な話、IE9 64ビット版は、愕然とするほど、BAD・・・。
それでもって、他のすべてのブラウザは全体的にかなり互角。
私がとても痛快におどろいたのは、IE9の32ビット版が実際にSunSpiderベンチでエース級の結果を叩き出したことなんだ。
けれど、今後数週間でGoogleはChromeにさらにチューニングを施し、きっとIE9 32ビット版に追いき追い越してくるだろうし(Googleの涙ぐましいほどの更新サイクルにくらべてると、Microsoftの痛々しいほど遅いIEの更新サイクル)、それに期待してるよ。
研究所注:直後の2011.4.27に、Google Chromeの新バージョン、11の安定版がリリースされました。
高速ブラウザGoogle「Chrome11(内部バージョン11.0.696.57)」ついに安定版リリース!オフラインインストール可能なダウンロード版も
http://antivirus.server-ing.com/2011/04/30/788/
マイクロソフトはIEの開発に懸命に努力をしてきたわけで、一方で最速を叩き出したり、また、最低速だったりしていても、IEそのものに存在意義があるはずだ。
ここで注意。
IE 64ビット版は64ビットOSのみに利用可能さ。
必要なら検索して探し出してくれ。
私からのアドバイスは、特に気にしないでね・・・。
とにかく結論。 私は実際にはJavaScriptによるパフォーマンスの違いはそれほど大きな問題じゃないと考えているよ。
確かに現実世界のテストでは、ブラウザのパフォーマンスの違いを見つけるのはそうたやすいことじゃない(多くが特定のブラウザに最適化されていることを考えると、一部のHTML5(動的)サイトでは耐えることができない)。
まあ、実際に、たかだか数ミリ秒のJavaScriptパフォーマンスタイムを削ることに最大限の意味を持ってるのでもない限りね。」
とのこと。
このベンチマークテストは、あくまでもPC一台に固定したテストであり、環境差や性能差や、使い勝手などのことまでは考慮されていません。
近年の熾烈なブラウザ競走には振り回されず、しっかりしたPC環境を備えて、かつ、自分の用途にあったものをチョイスすることが、やっぱり大切だといえます。
6.気になる、セキュリティ上、安全なブラウザは?
有償・無償(有料・無料)を問わず、各セキュリティベンダーがシェアなどから重視してソフトウェア・プラグインを提供しているという、ある意味、量的な観点からすれば、IE→Firefox→Chrome→Opera(→Safari)になるはずです。
ただ、Windowsとあまりにも親和性の高いIEは、セキュリティの通念上、やはりメインブラウザからは除外したいところ。
シェアを下げたといえ、ネームバリューにそれほど傷みは出ていません。
ハッカー(正確には、クラッカー)は、特に「有名どころ」が大好きです。
近年の世界的ブラウザシェアを見ると、IE、Firefox、Chromeそれぞれが確かに目立っています。
そのためか、近頃、Chromeを狙い撃ちにしたマルウェアも散見されるようになりました。
データ出展:
Browser Market Share
http://marketshare.hitslink.com/report.aspx?qprid=0
ただ、「情報を盗みだす」という単一の目的からいえば、そうしたマルウェアやウィルス制作者たちがあいかわらずターゲットとしやすいのはビギナーの利用率の高いブラウザ、つまり、Internet Explorer(IE)のはず。
反論を恐れず、パフォーマンス、インターフェイス、そしてセキュリティのことを総合的に考えた上で、当研究所的におすすめをあえてひとつ選ばなければならないとすれば、2011年春は「Opera(オペラ)」を推しておきます。
吊るしの状態で使っても、けっこう小回りの効くブラウザコンソールだと思います。
Firefox、Chrome、Operaは、それぞれ、それを支えるひとびとが多いのが魅力だと思います。
セキュティリスクはいずれのブラウザにも間違いなく存在します。 しかし、それに備えるだけのプラグインの豊富さ、設定の柔軟さがあります。
自由度の高さとリスクは正比例すると考えますが、それがかならずしも高度なブラウジングを阻害するものではないはずです。
要は、「気に入ったブラウザが見つかったら、そのブラウザでガンガン検索して、さらに高度なことを楽しんでください」ってことではないでしょうか。
いわゆる”わずらわしい”セキュリティ対策も、いろいろプラグインやソフトを試していくうちに、けっこうツボにはまったりしたりします。
記事引用元:ZDNet 「IE9 vs Chrome 10 vs Firefox 4 vs Opera 11.01 vs Safari 5 – The BIG browser benchmark!」
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